前回の記事『【基本情報技術者試験】最短合格する為の勉強法を解説【午前・午後】』では基本情報を合格する方法をまとめましたが、CBT方式と合格率について触れていきたいと思います。
今回はCBT方式導入から大幅上昇した基本情報の合格率について考えてみます。
合格率の高さについて
まず上昇した合格率について試験のデータ(統計情報)から見ていきたいと思います。
合格率の大幅上昇
過去問道場の統計情報によると、回毎でバラつきはあるものの、近年の基本情報の合格率は22~28%を推移していたようです。合格者数は12000~15000人くらいを推移しています。
しかしこちらのニュース記事によると、CBT方式に移行した令和2年秋試験には48.1%、その次に行われた令和3年春試験の5月は49.9%と合格率が20%もアップしています。合格者数もかなり増えていることがわかります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(合格者数/受験者数) |
---|---|---|---|
H20年秋~R1年秋 | – | – | 22~28% |
R2年秋 | 52993 | 25499 | 48.1% |
R3年春(5月) | 6871 | 3435 | 49.9% |
R3年春(6月) | 25637 | 10087 | 39.3% |
6月では若干下がりましたが合格率39.3%と依然として高い数字です。この上がり幅は同じ資格とは思えない程ですね…。
合格率の上昇→試験が簡単になった?
一見すると20%も合格率が上がったのだから、試験が簡単になったんだろうと思われますよね。
実際のところはどうなのでしょうか?僕も2月にCBT方式で受験して合格したのですが、今までの過去問と比較しても、問題の難易度自体は過去問と比べて難しい訳では無いという印象があります。
それに加えて「午後試験の改定により試験が総合的に楽になった」というのは大きな一因であると思います。
高い合格率の理由を考察してみる
私なりに合格率が上昇した理由を、CBT方式という面から考察してみました。
理由その1:方式変更の変わり目なので難しい問題を出さなかった
僕が受けた感想では、難しい問題は出てなかったという印象です。特にアルゴリズムはやっていた過去問より簡単に感じました。僕が解いていた最近の試験のアルゴリズムの方が難しかった気がします。試験方式の変更により、問題難易度を上げることを避けたのではないかと思います。
逆に言えば、合格率が上昇していることから、合格率を下げるために徐々に問題の難易度を上げていく可能性も考えられます。
理由その2:午後試験の問題数の減少
令和2年の改定により、選択問題の回答数が4問から2問へ減少しました。そのかわりにアルゴリズムとプログラミングの必須問題の配点が上昇しました。
選択問題が少ない分他の対策に掛けられる時間も増え、大問1つにかけられる時間が増えたことにより、点数が取りやすくなったと考えられます。しかし、アルゴリズムとプログラミングの配点が合わせて50点になったので、プログラミング系の問題が苦手な人には厳しい試験になったとも言えます。
理由その3:午前と午後を別日に受験できる
CBT方式になって日時を自分の都合の良いところに設定することができるようになったことは、合格率アップに影響を与えていると思います。午前と午後を別日に受けることで、勉強時間を分けることができますし、同日に150分の試験を2つ受けるよりか、別に分けた方が集中力が切れる心配も減ります。
そもそも今までの筆記試験だと日にちが決まっていて、仕事や急用で受けられない人も少なからずいたと思うので合格者数が増えた理由の一つでしょう。(合格率は “合格者数/受験者数” なので、当日欠席の人数と合格率はあまり関係ありませんが…)
理由その4:応用情報と併願受験ができる
今までの筆記試験での基本情報では、応用情報と受験日は同日なので併願受験が出来ませんでした。
CBT方式に変わったことで、応用情報と並行して受けられるようになり、受験者のレベルがあがったことが合格率の上昇の理由の1つであると思います。
これから基本情報は難化していくか?
可能性は否定できません…実際6月の試験は何故か合格率が下がっているのであり得る話です。しかし、僕は基本情報の合格率を下げていくことが正しいとは思えません。
多くの受験者は基本情報を取ることがゴールという訳では無いですよね。エンジニアで基本情報を持っているからといって、仕事で大きく優遇されることはあまりないでしょう。
基本情報というのは受かったら応用情報や高度試験へとステップアップするためにあると思っているので、今くらいの難易度でいいのではないかと思ってしまいます。
さいごに
この記事では基本情報の合格率に着目してみました。最後に言いたいことは、合格率が爆上がりしたということは、IPAのさじ加減で爆下がりすることもあり得るということです。
勉強しなくても受かるというのは勘違いですので気を付けましょう。でも合格率の高さから今が受け時であるのは事実なので、今の内に取得を目指すといいかもです!!
以上で記事を終わりにします。